ここは八郷の教室、一人で机に向かって本を読んでいる時、同じクラスの友達2人が八郷に声をかけ、 こう言った。 友達1:八郷くん、今日の放課後、図書館行くよね? 八郷:あ…ゴメン、今日緊急でラジオ収録の仕事入っちゃって。伝えるの忘れてた; 八郷は仕事や勉強で、てんてこ舞いな日々を送り、頭がごっちゃになり、 すっかり友達の事を忘れてしまっていた。 八郷:申し訳ないけど、今日もまたパスさせてもらうよ… 高校に入ってからずっとこの調子続きで流石の八郷も疲れているのは当然の事である。 友達2:…それ、もう何度も聞いてるよ。八郷くんって僕達より仕事優先ばかりだよな。 友達1:うん、一緒に居られないなら友達の意味ないよ。 中学の頃から仲良しだった少ない友達もやはり限界が来ていた。
八郷:そんなっ、僕だって本当は皆と一緒に勉強したいし、まだ学びたい事もたくさんあるし、 でも…仕事も頑張りたいから… 友達2:八郷くんはそれで良いかも知れないけど、僕らにとっては雁字搦めだよ。 授業出られないなんてさ。 ずっと応援してくれたのに…まさかこんな事態になるとは。 2人の友達は悲しくも呆気なく離れていった。 友達:じゃあな、八郷くん。
放課後、八郷は三科と玄関で待ち合わせた。 三科:おう、八郷!行こうぜ!! 三科と会い、浮かない表情の八郷は、今日の事をすべて話した。 三科:どーした!? 八郷:みっくん、僕、友達無くしちゃった…仕事ばかりで遊べないとか、 一緒に居る意味ないとか言われた!!だから僕、学校辞めたい… 三科は泣きながら話すヤサトを見て何より同情し、頭を撫ぜながらひたすら慰め続けた。 三科:そうかそうか、マジで友達ワガママだよな…八郷は間違ってなんかない! 嫌なら辞めちゃえばいいんだよ! 八郷:そうする。学校行ってなくても勉強はできるし、今までの事、完全にリセットだね。 少し立ち直った八郷は、クラス委員長の座も捨て、三科と共に学校を中退し、 音楽活動に専念する事となったとさ。
その後、現代の八郷。 ヤサト:今になってはコレもいい思い出なんだな。
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