Hapi★WS アーク海賊団、参上！〜アークとヤサト、一夜限りの思い出〜後編
マリンパークでヤサトが海賊のアークに拉致されてしまった!!果たして無事に助かるのか!?
前回のあらすじ
ミヤマルGTはジョセフとアンジェリカの(未来に生まれる)子供、ニコラスを連れてマリンパークにやってきた。
すると、海賊のアークにヤサトが連れ去られるというハプニングに遭遇してしまうことに！
一方のミシナはマネージャーのマリや中橋と共にアークがいる別の酒場で集合することに
予想通り、雨になった。それも土砂降りの
アーク¨どこ行く気だ、ヤサト！
ヤサト¨離してくださいっ！僕、これから大事な用事があるんです！
アーク¨無茶言うな！こんな大雨でライブなんかできるワケないだろ！
ヤサト¨そんなっ…あ！
ヤサトが被っていた(？)ウィッグが取れてしまった
アーク¨…ほら、だから言っただろ
ヤサト¨…すみません
アーク¨とりあえず中に入ろうぜ！
ヤサト¨でも、ウィッグが…
アーク¨中に入れ！代わりのならある！
ヤサトはとても困っていた
離れ離れになったみっくん…そして、ライブに協力してくれるスタッフたちやマネージャーは心配している筈だと
思っていた。そして、彼らはヤサト自身を必要としてくれるのに…と
困惑するヤサトは、アークと共に中に入っていった。女の人たちの冷たい視線の的になりながら…
酒場の中にある化粧部屋で…
アーク¨よーし、完成だ！
ヤサトは絶句した…茶髪ロングのカールヘア。それだけでなく、赤くてかわいらしティアラがのっている
アーク¨どうだ、これなら平気だろ？
ヤサト¨は、はい…
アーク¨ついでに化粧も直してこい
ヤサト¨ありがとうございました
ヤサトの気持ちが変わっていった
最初は拉致られたって警戒心抱いていたけれど、本当は心優しい男性なんだな…と
彼に託していれば、ミシナさんたちがいなくても、暫くの間なら一緒に乗り越えられるかも…と
だから、もう何も怖くない…と
再び、ミシナがいる方の酒場に舞台を戻す
マリ¨何か手掛かりは無いのかしら…
ニコラス¨黒い海賊帽に黒い海賊服に、白いドクロのマークが海賊帽に入ってたよ！
ミシナ¨あと、中肉中背で筋肉質の茶髪でした
中橋¨どこに連れ去られたまでは知らないんだね
ミシナ¨すみません…最後に見たのがヤサトを連れ去った姿で、どこに逃げたのかまでは…
ザッシュ¨あのナンパ男のことか？
ミシナ¨あなたは、さっきの！
ニコラス¨キミも海賊なの！？
ザッシュ¨おうよ！休憩だし、酒でも飲んでパーっと…ま、まだ終わって無いからそこまでハシャゲねーけどよ！
ニコラス¨すごーい！
マリ¨その海賊の事、知ってるんですか！？
ザッシュ¨知ってるも何も、知り合いでな〜で、誰を連れ去ったと？
マリ¨15歳くらいのヤサトって男の子です！いや、女の子と言った方が…そのヤサトが海賊に連れ去られたんです！
ザッシュ¨ヤサトって子はどんな服装をしていたんだ？
マリ¨ピンクのドレスをまとってました！背丈は…普通の女の子とあまり変わらないと思うので…
中橋¨待て！アークの居場所は知ってるのか！？
ザッシュ¨アークなら近くにいるぜ！
ミシナ¨今すぐ助けに行かなきゃ！
ザッシュ¨待て待て、そう慌てるな！夜の街は危険っていうからな！
マリ¨それに、この雨よ…無理せず、明日の朝迎えに行った方が良いわ
ミシナ¨そ、そう言うなら…
ザッシュ¨アークに連絡を取ってみるぜ！
ニコラス¨ヤサトおばさんに会えるの！？
マリ¨ええ、明日の朝にね
ヤサト¨み、ミシナさん！
電話でミシナと連絡が取れたのだった。しばしの会話の後…
ミシナ¨明日の朝に迎えに行く！それまでに何かあったらすぐに連絡しろ！
ヤサト¨ありがとうございます。でも、きっと大丈夫です
アーク¨おっ、お前がミシナってヤツか
ミシナ¨ヤサトをどうする気ですか！？
アーク¨なーに、心配するな！あんな可愛い子、傷つけるワケないだろ？
ミシナ¨全く信用できません！
アーク¨俺がヤサトを危ない目に遭わせてしまったら俺が責任を負う。それでいいだろ？
ミシナ¨そう口から出まかせの事言っても通用しませんよ！
マリ¨大丈夫。私を信じて！
ミシナ¨マリ…さん…
マリはアークと電話で話している。マリはそのアークの態度を見抜いた上で、ミシナに言おうとしたのだろう…
マリの気持ちを察したミシナは思った。
アークはただナンパして気に食わなかったら簡単に見捨てる男性でないこと…
一度ナンパした人間は最後まで守り抜くという心情を併せ持つこと…
そして、さっきのヤサトが安心している声を聞いて…
ミシナ¨…ヤサトを、よろしくお願いします…
アーク¨じゃあ、切るぜ！
ヤサト¨アークさん…
アーク¨まあ、よかったな…迎えに来るらしいぜ
ヤサト¨はい！よかったです！
ミーナ¨アーク！さっさとこの女と離れなさいよ！
アーク¨そういう訳にもいかねえな！
ミーナ¨この頑固者！それに、ヤサトって言ったわね！
ヤサト¨は、はい…
ミーナ¨あんた、結構胸あるわね！
ヤサト¨つ、作ってますから…
アーク¨全く、嫉妬もほどほどしろよ
ミーナ¨私が嫉妬しなくても、周りの女はみな嫉妬してるわよ
現に、女の目線はやはりアークとヤサトである。その嫉妬の度合いや尋常でないことぐらい…
ヤサト¨で、でも大丈夫です！アークさんと一緒なら！
アーク¨ヤサトがこう言ってるんだ。分かったろ？
ミーナ¨ふんっ、好きにしなさい！
アーク¨悪かったな。でも、こういう女だが俺の頼れる仲間だ。許してくれ
ヤサト¨はい…ところで、あの人は…
アーク¨ミーナだ。アーク海賊団の女泥棒っていったとこかな。で、アイツがカルロス。百発百中のスナイパーなんだぜ！
スナイパーと言えばヤサトはジョセフと知り合いである。常に陽気なジョセフとは対照的にカルロスは冷静沈着で、
煙草をくわえながら本を読んでいる
そのカルロス…気付いたのか、ヤサトの方に向いて、軽く会釈をしたら、すぐに本に目線を戻した
ヤサト¨よろしくお願いします！あっ…
アーク¨どうした？
ヤサト¨ちょっと、トイレに…
アーク¨なら、俺も一緒に行ってやる。お前ひとりじゃ危なっかしいからな
ヤサト¨ありがとうございます！でも、私…男性の方か…女性の方か…
カルロス¨それなら、多目的トイレに行けばいい
ヤサト¨か、カルロスさん？
カルロス¨マスターから聞いたが、この酒場は車いすや高齢者の人も利用することもあるらしく、最近多目的トイレが
作られたそうだ。そこなら男も女も気にせず入れるし、2人で入っても問題ないだろ
アーク¨それは名案だな！恩にきるぜ！
ヤサト¨ありがとうございます！
そして、夜も遅くなってきた頃、朝早く迎えに来ることもあり、早めに就寝した
ヤサトとアークは、オトコ同士身を寄せ合いながら眠りについた…
翌朝…
ヤサト¨みっくーん！会いたかったです〜！
ミシナ¨泣くなヤサト！せっかく無事に帰ってこれたんだからな！
カルロス¨ほらな、やっぱりパートナーが一番だ。分かるだろ
アーク¨おう…
ミーナ¨残念ね！もう少しでヤサトをモノに出来るトコなのに
カルロス¨そう期待してたのか？お前、嫉妬してたんだろ？
ミーナ¨そ、それも試練の一つよ！
ニコラス¨海賊さんこんなにいるなんてすっごーい！
ミーナ¨だったら、今からキミもアーク海賊団の一員になる？
ミシナ¨お前はジョセフとアンジェリカがいるだろ！
ニコラス¨そっか。パパとママを心配させるわけにはいかないもんね！
ミーナ¨ちぇー
ニコラス¨あとね…ちょっと耳貸して…
アーク¨何だ…うんうん…
ヤサト¨何話したの？
ニコラス¨ひっみつ〜
ヤサト¨あ、アーク船長、最後に一言…
アーク¨何だ？
ヤサト¨またいつか、お会いしましょう！
こうして、ヤサト達に別れを告げたアーク海賊団…
船を出し財宝を求め、次の目的地へと旅立つのであった…はずだった
ミシナ¨帰るぞ、ヤサト。マリさんたちも待っている
ヤサト¨はい！あ、でも、ライブは…
ミシナ¨延期になった。日程やこれからの予定はマリさんところで話そう
ヤサト¨分かりました！
と、実はその予定を全部知っているニコラスは、あることを考えていたのだった…
数日後、天気は快晴
大雨で延期のミヤマライブは日を改め、歌声が響きわたると共に、ミヤマルGTは観客たちの歓声を浴び大成功を
告げるのであった
アークと共にいた時にヤサトに嫉妬した女たちは、この時ばかりは楽しそうだった
そして、ヤサトもまた、アークがきっとどこかで見てくれているのだろうと期待しながら、全力で歌ったのであった…
ニコラス¨そのアーク船長はここにいます！
ニコラスのいる場所は草むらを挟んだ遠い観客場所。この場所は、ヤサトから見えないのだ
アーク¨ヤサト！
ミーナ¨あーはははは！
ザッシュ¨気分上昇だーっ！
カルロス¨全く…全員騒ぎ過ぎだぞ
ニコラス¨こっそり招待しちゃいました☆
と、実はミヤマルGTに内緒でアーク海賊団を招待したのだ
ニコラスの企みは成功となった。この後、ヤサトらにバラすかどうか考えていたが…どうやら、話さないそうだ
ミヤマルGTの活動は順風満帆だった
ハピィさんのオリジナル漫画から見てとれるように、沢山のライブをこなしていき、沢山のファンを獲得していった
大聖堂やメルヘンパーク…そして上記のマリンパークなど、様々な場所でライブをし、その空き時間を利用して
ヤサトはミシナと共に満喫した
ヤサトは、ライブや仕事中は休憩時間を含め女装している。
ヤサトは男性だが、華奢な体格なため、女装すればとても似合うのであった
ずっと、この幸せが続くと思っていた…このままミシナやライブを支えてくれるスタッフ、そして愛してくれるファンの
皆に囲まれて…
そのヤサトに、これからの人生を大きく左右するほどの悲劇が起こるのは、そう遠くない未来であった…
原作コミック2012年『ミヤマライブINマリンパークでゴージャス気分だよ』も
ココ
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